横浜ゴム株式会社の南雲忠信社長は、自ら東京モーターショーの自社プレスブリーフィングに登壇、「次世代型タイヤモニタリングシステム」の開発について発表した(20日)。
「現在のクルマは走る電子機器とも呼べるほどに進化している。それに対し、我々はタイヤメーカーも対応していかなければならない」と話す南雲社長。
今回発表されたシステムは、加速度センサー・モジュール「Gセンサー」を四輪に装着することで、クルマ側の横滑り防止システム(メルセデスのESP=エレクトロニック・スタビリティ・プログラムなど)と連携し、既存システムよりも0.2秒早い、横滑り検知を可能とした。これは100km/hで11mの違いになって表れるため、非常に有効なシステム強化につながる。車体についているセンサーよりも、タイヤについているセンサーの方が、より少ないタイムラグで横滑りを感知できるところに着眼したわけだ。
「Gセンサー」は回転方向、遠心力方向、アングル方向の3軸加速度センサーを内蔵していることが特長で、動作環境が厳しいタイヤ内部での強度や耐久性を実現した逸品である。「今後は各業界と連携して、この技術を拡販していきたい」趣意を、南雲社長は語っている。
03年販売のトラック・バス用のタイヤ空気圧モニタリングシステム「HiTES」(ハイテス)、04年発表の乗用車用「AIR Watch」(エアーウォッチ)に続くヨコハマのニューチャレンジに、期待が高まる。