ヒュンダイが東京モーターショーに展示した巨大なミニバンのコンセプトモデル『neos-3』は、同社の今後の世界戦略を示唆しているという点で、注目に値するモデルだ。
自社開発の軽合金製4.6リットルV8DOHCはショーモデルのためのワンオフではなく、量産を前提としたプロトタイプ。可変バルブタイミング機構などによって300ps超級のスペックを想定している。
プラットフォームは現在の同社のフラッグシップモデル『グレンジャー』より大型のもの。現行レクサス『LS』、BMW『5シリーズ』などのプレミアムクラスへの進出を狙ったものだ。駆動方式はFRが基本で、電子制御4WDも開発しているという。このシャーシはミニバンに限らず、セダンやクーペなどにも使用できる。
ヒュンダイがV8や大型FRシャーシの開発に乗り出しているのは、ひとえに北米戦略のためだ。同社は北米では新興勢力の部類に入るが、ここ数年で急成長を遂げている。「経営はトヨタに学ぶ」(ヒュンダイ幹部)という同社だけに、大衆車クラスにとどまらず、上位クラスに進出したいとの思いは強い。
現時点では力不足の感は否めないが、将来的にはプレミアムクラスについても、北米ではそれなりに成功する可能性が高いという見方も増えてきている。neos-3はそのメルクマールと言えよう。