メルセデスベンツによると、カナダで『スマートカー』を発売して1年、同社が当初予測した数の3倍以上となる4000台を売り上げた、という。しかし同社を驚かせたのは、その販売の実態だ。
元々シティコミューターとして設計された『スマート』は、ヨーロッパでは都市部で売れる。小さなサイズのため駐車スペースもコンパクトで済み、低燃費のため渋滞にも強い。ところがカナダでは、むしろ郊外の地域で多くが売れているのだ。
理由としては郊外では通勤にかかる距離も長く、低燃費で小型のスマートが通勤用として注目されていること。そもそも通勤では乗員は1人だから、車のサイズは小さくても気にならない。それならむしろ燃費が良く小回りのきく車が愛される、ということだ。
メルセデスベンツが北米で販売しているのは、アメリカやカナダの嗜好に合わせた『スマート・フォー・4』と呼ばれる4人乗りのバージョン。しかしアメリカで並行輸入を行うZAP社の2シーターに人気が集まったり、メルセデスベンツの思惑とは異なる現象が起きている。
カナダでの使われ方を見ても、4人乗りではなく2シーターの方がむしろ売れるのでは、という見方も出て来た。メルセデスベンツが北米で2シーターのスマートを発売する日は近そうだ。