格付け御三家すべてがGM、フォード株をジャンク評価

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大手企業格付け会社であるスタンダード&プアーズ社が5月にGMとフォードの株式を格下げし、ジャンクボンド扱いとしたが、それに続いてムーディーズもGMとフォードの株を「投資不適格」のジャンクに格下げする、と発表した。

ムーディーズによる評価では、GMは北米での運営赤字と利益率の低下により投資レベルを満たしていないということになる。さらにムーディーズはGMの金融部門であるゼネラルモーターズ・アクセプタンス社の株式もジャンクに格下げした。

フォードに関しても、負債総額が1500億ドルになることから、クレジット格付けが「Baa3」となり、ジャンクボンド扱いとなった。ムーディーズの格下げが発表される前日、フォードではビル・フォード会長が大幅なリストラ策を掲げ、おそらく2つの工場が閉鎖され3900人が解雇される、という情報が流れたばかり。

6月にはGMの「従業員価格セール」が功を奏して売り上げが大幅にアップ、フォードも同様のインセンティブを提供しているが、売り上げアップが利益に関わって来ないのが加熱したインセンティブのつらいところだ。一時的にはシェアを盛り返しているが、年度でならすとアジアメーカーのシェア拡大は避けられない、と見られている。

これでビッグ3のうちの2社までが、“格付け御三家”すべてからジャンクボンド扱いされていることになる。株式の格付けにより市場からの投資資金が集めにくくなり、負債も減らない、という悪循環が起こる。この窮地にどう対応する?

《Sachiko Hijikata, US editor》

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