格付け会社の米ムーディーズ・インベスターズ・サービスは7日、マレーシアのカントリー(ソブリン)シーリングを変更したと発表した。カントリー・シーリングは、当該国の証券発行体の格付けの上限を示す。
改定では、外貨建て長期債券の上限をA3からA1へ引き上げた。外貨建て長期預金の上限はA3で変更なし。外貨建て短期債券・預金の上限もP-1で変更なし。現地通貨建て長期債券・預金の上限はAa2からA1へ引き下げた。
ムーディーズは、非居住者である債権者への送金が国家により禁止または制限されるなどの送金リスクを調べた結果、上限を改定したという。
マレーシアの財政に関しムーディーズは、経常収支は健全で、大量の外貨準備を積み上げたと評価した。政府債務の96.5%はリンギ建てで、送金リスクは低いという。