格付け会社の米ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、マレーシアのソブリン債格付けを「A3」で維持すると発表した。
ソブリン債のアウトルックは「安定的」だが、今後の経済改革などで格付けを上方修正する可能性もあるという。一次産品の売り上げへの依存軽減や補助金制度の合理化などがポジティブな要素となる。
一方、格付け会社フィッチ・レーティングスはマレーシア国債のアウトルックを、格下げの可能性がある「ネガティブ」に引き下げている。
ムーディズは格付け維持に関して、世界的な金融危機を受け債務が増加する傾向にあるが、マレーシア政府の状況はそれほど懸念すべき水準ではないとしている。
今年1月、ムーディーズは、外貨建て長期債券の上限を「A3」から「A1」へ引き上げた。外貨建て長期預金の上限は「A3」で変更なし。外貨建て短期債券・預金の上限も「P-1」で変更されなかった。
ムーディーズは、マレーシアの国民1人当たりの収入は他国と比べて低い傾向にあるが、ガバナンスや競争力などは他国よりも良好だと評価。政府の財政健全度は高いと指摘した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、8月16日)