日野自動車は、大型セミトラクターの走行安定性を総合的に向上する日本初の車両安定性制御システムVSCを開発したと発表した。
システムは、大型トラクター特有の横転現象、ジャックナイフ現象、ドリフトアウト現象といった不安定な車両状態を事前に感知し、ドライバーへの警報とともに、エンジン出力制限やブレーキの作動によって、車両状態を安定方向へ制御するシステム。
すでに国土交通省の認可を取得して、近く市場に投入する予定。
大型トラクターは、免許制度上では牽引免許が必要な上、高度な運転技術が要求される。またトラクターとトレーラーが1本のピンで連結される構造のため、ドライバーにはトレーラーのロール状態がわかりにくく、横転事故が大型トラクターの代表的な事故事例の一つになっている。
日野は、この現象を未然に抑制するシステムとして2003年11月以降 大型トラクターに連結車用ロール安定性制御システムとして「ロールスタビリティアシスト」を標準装備してきた。
今回開発したVSCは、ロールスタビリティアシストを進化させたもので、凍結路などで発生しやすいジャックナイフ現象やドリフトアウト現象を抑制する総合的な車両安定性制御システムだ。
本システムは、トラクター側とトレーラー側のABSの協調で、凍結路などの滑り易い路面でも高い車両制御性能を発揮すると、している。