新型ホンダ『ステップワゴン』(5月26日発表・27日発売)のフロアは低く、そしてフラットだ。フロア高はFFで390mmしかなく、乗り込む位置にステップも設ける必要もないぐらいの高さなので、子供でも楽にワンステップで乗り込むことができるだろう。
新型ステップワゴンはこの低床フロアを実現するために、専用のプラットフォームを新開発し、さらに薄型の樹脂製ガソリンタンクを採用するなど、コストを惜しまず低床化を徹底的に追求したようだ。
リヤサスペンションも先代のダブルウイッシュボーンから、H型のトーションビームに変更している。トーションビームというと古く感じるが、ジオメトリーを最適化することで、ダブルウイッシュボーンと同等の特性を獲得しているという。一見退化しているように見えるこの変更も、3列目のシートスペースやラゲッジの低床化を追求しての結果だ。
低床化が実行できれば、室内スペースを犠牲にすることなく、全高を下げることができるのでメリットは多い。実際に新型ステップワゴンは低床化によってクルマの重心を45mm下げ、セダン感覚のハンドリングや走行安定性を実現している。
他にも空気抵抗の低減による燃費の向上や、横風時の安定性の向上など低床化のメリットは意外なほど多い。ライバルよりも低い全高は、乗降性だけではなく多くのセールスポイントを獲得しているのだ。