プジョー・ジャポンが新型『407』(12日に発表、発売は6月11日)の価格を戦略的なものにした背景には、ミディアムハイクラスの強化によって、日本市場における販売台数と収益性をさらに向上させたいというプジョーの思惑がある。
プジョーは90年代の『306』を皮切りに、ベーシックカー『206』、ファミリークラスの『307』など、主力モデルについて戦略的な価格付けを行うことで、販売を大幅に伸ばしてきた。
昔は日本ではプジョーというと“カルトカー”というイメージだったが、2004年度の販売台数は1万2000台と、ボルボやアウディを僅差で追うメジャーブランドに成長したのである。
が、販売の大半は小型車によるもので、プレミアム性の高いミディアムハイ以上のモデルが占める割合は昨年の場合、旧型『406』と『607』を合わせて、販売台数の5%程度にすぎなかった。
プジョーのインターナショナルオペレーションマネージャーを務めるクリスティアン=ドゥルース氏は、「プジョーの世界販売は昨年、初めて年間200万台を超えたが、このうち65万台は欧米以外の市場での販売によるもの。プジョー・ジャポンでの販売増にも大いに期待している」と、日本での増販に意欲を見せる。
2005年度の目標は前年度比約2000台増の1万4000台だが、今年6月の発売開始から年末までに、シリーズ全体で2000台を販売する計画である407は、計画達成に欠かせない重要な戦略車種だ。ゆえに付けられた407の“戦略価格”は、ミディアムハイの購入を狙うユーザーには嬉しい限りだろう。