ガソリン価格が急騰中で、夏には1ガロン3ドルを超える、と言われているアメリカで、もっとも燃費に優れたガソリンカーであるスマート人気が上昇中だ。
しかしこのスマートは、ダイムラークライスラーが導入するスマート『フォーフォー』と呼ばれる4人乗りではない。
ダイムラークライスラーによるアメリカ導入計画のない、オリジナルの2人乗り『フォーツー』を小型車専門メーカーのZAPがライセンスを取得、独自にアメリカ市場向けに改造販売するモデルだ。
実際の販売はまだ始まっていないというのに、ディーラーからのオーダーがすでに2億ドル分を超えた、というのである。
ZAP! SMARTを扱うディーラーの中には、「毎日対応しきれないほどの問い合わせの電話が来る。まだ発売日も決まっていない車としては異例の人気」と語るところも。
ZAPは元々小型の「ネイバーフッドカー」と呼ばれる、ゴルフカートを改造したようなEVを制作していた会社。ヨーロッパで生産される2人乗りスマートのアメリカでの販売権を獲得後、アメリカの安全基準、排気基準などに合わせた改造を行い、市販を目指す。
それにしても、メルセデスベンツ子会社のスマートUSAよりも先に人気を得たZAPと、スマートUSAとの今後の関係はどうなるのか、そしてフォーフォーも同じく大人気となるのか、など気になる部分が一杯の、この急激な小型車人気。
これからはスマートとミニの一騎打ち、という時代がやってくるのだろうか。