横浜ゴムからエコタイヤ、DNAブランドの新製品『DNA S.drive』(ディーエヌエー エスドライブ)が発売された。横浜ゴムのDNAシーリズは98年に登場。走行性能や快適性を向上させながらも、転がり抵抗を少なくすることで燃費を向上でき、さらにタイヤの寿命を伸ばすことで、地球資源の有効利用をもたらすという狙いのエコロジータイヤだ。
今までDNAシリーズには対象車種に応じて6種類のラインナップが用意されていたが、今回発売された『DNA S.drive』は、従来DNAブランドでスポーツタイヤとして販売されていた、『DNA GP』(ディーエヌエー グランプリ)の後継となるスポーツタイヤ。
横浜ゴムのグランプリシリーズといえば、スポーツカー愛好家に支持されてきたブランド。このブランドから、新たなスポーツタイヤのブランドへ変更した理由はどこにあるのか。このタイヤを開発した、横浜ゴムPC設計部 渡部弘二さんに話を聞いた。
「DNA S.driveという名称に変更した理由は、今までのグランプリシリーズのイメージを少し変えたいという狙いがあったからです。新しいタイヤを開発するにあたり、今度のタイヤはスポーツカーだけではなく、ミドルクラスの輸入車やスポーティミニバンにも対象車種に広げたいという計画がありました。その思いを実現するためにも、あえてグランプリの名称を休止して、新たなS.driveという名称を採用しました」
「とはいえ、基本的にはS.driveもスポーツタイヤですので、スポーツ性能はグランプリシリーズから落としてはいません。ドライグリップはグランプリシリーズよりも若干向上させ、その上でウェット性能と転がり抵抗を大幅に向上させています。そうすることで、より装着車種の幅が広げられると思っています」と説明する。
実際に『DNA GP』と『DNA S.drive』を装着したクルマを、交互に同じ状況でドライブして比較してみても、ドライでの性能はとくに落ちている印象はなかった。それでいながら、ウェットでの性能は『DNA S.drive』のほうが歴然と向上し、安心感は大幅に高まっていた。このタイヤなら、幅広い車種に装着することができるだろう。(つづく)