【ミシュラン チャレンジ・ビバンダム リポート】その2 アジアで初めて上海で開催…河村康彦

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【ミシュラン チャレンジ・ビバンダム リポート】その2 アジアで初めて上海で開催…河村康彦
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2004年の開催で数えて6回目になる『チャレンジ・ビバンダム』。そもそもは、同社のシンボルキャラクター“ビバンダム”の生誕100年を記念して、1998年にフランスで開催されたのが第一回目だ。

ミシュランはもちろんのこと、自動車メーカーやエネルギーサプライヤー、さらには各種の自動車関係団体などが「持続可能なモビリティのあり方をさまざまな角度から考える」というスタンスで協賛を行なうこのイベントは、前述のフランス初開催の後、これまでヨーロッパとアメリカの拠点を交互に巡って開催されてきた。すなわち、2004年の上海での開催は「アジアでの初開催」。会場としてふさわしい国際級のサーキット(上海サーキット)や中国の自動車中枢を目指す大学都市(トンギ大学)などのインフラがここに来て整ったことに加え、中国全体が今の瞬間、本格的なモータリゼーションの黎明期にあることももちろん決して無関係ではないだろう。当然ながら今後は「日本での開催も考えられる」と、日本ミシュランタイヤでは意欲を見せる。

それにしても、上海中心部のホテルから上記会場までの小一時間の風景をバスの車窓から眺めていると、「果たしてこの国に“持続可能なモビリティ”がもたらされるのだろうか」と正直心配にもなってくる。合流という合流地点では「われ先に」とばかりに、さまざまな方向からクルマが突っ込み、鳴り響くホーンの洪水の中を歩行者や自転車が曲芸まがいに横切って行く。現役で働く大型のトラックは、いまだにおよそその半数が日本ではとうにお目にかかれなくなった“ボンネット型”。当然それらに有効な排ガス対策が施されているはずもなく、もはや日本からはほぼ姿を消し去ったほどの濃度で黒煙を吹き上げ行く、といった姿も珍しくはなかったからだ。

そんな光景と世界最先端のクリーンカーイベントとは、あまりにも対照的。もちろん「だからこそ中国で開催をする」という考えもあるのかも知れないが、「この国にはまだ、ほかにやらなければならないことが山ほどある」と思った参加者はボクだけではないはずだ。
(つづく)

《河村康彦》

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