たしかに1000万円もするカイエンを買うんだったら、これでじゅうぶんって気がする。デザインも個性的だし、よくできているもの。走りも、SUVという前置きを忘れなければ、非常によく曲がる。
それは、マキシマなんかと同じFF−Lっていうプラットフォームを共用しているから。SUVにしてもこれだけの剛性を感じるのだから、キャパシティの大きなプラットフォームといえる。
そんなことより、3.5リッターV6でも、ちょっとアンダーパワーかな…と思わなくもないのだが、スピードが乗れば非常に楽しく走る。
エクステリアデザインも派手好きなアメリカンイメージが表現できていて、ハリアーよりかっこいいかも。イヤだったのは、見切りが悪いこと。クルマの大きさを掴みにくい。アメリカならこれでOKなんだけど(細い路地なんかないもの)、日本ではやっぱり気になるレベル。慣れの問題といわれればなれるけど…。
でも、コアなファンができそう、このクルマ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★☆☆
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★★☆☆
松田秀士|モータージャーナリスト
GTでフェラーリを駆る現役レーサー。INDY500やルマンなど海外レースにも積極的にチャレンジする。すでに49歳が目前という年齢ながら、まだまだ走る。モータージャーナリスト活動にも積極的。日本カーオブザイヤー選考委員。