世界の保険会社によって組織されるムチ打ち(whiplash)の防止をめざすインターナショナル・インシュランス・ウィップラッシュ・プリベンション・グループ(International Insurance Whiplash Prevention Group=IIWPG)の実験によると、スウェーデンのボルボが採用したシートは、事故の際のムチ打ちの発生が通常の半分に抑えられる、という結果が出た。
ボルボが採用しているウィップラッシュ・プロテクション・システム(Whiplash Protection System=WHIPS)では、衝突の際にシートが後ろに下がり、さらに背もたれ自体が倒れ込むようになっている。このため衝突の際に頭部が後ろに倒れ込む可能性が低くなり、ムチ打ちの発生も半分以下になるという。
このシートは『V70』、『XC90』、『S40』、『S60』、『S80』などで採用されている。
ただしIIWPGの実験は、運転シートを実験用の衝突台に載せ16km/hで衝突させた実験のため、実際の事故を再現したわけではない。またボルボのシートでもムチ打ちが完全に防げるわけではないので、やはり安全運転を心がけることが重要だ。