10月上旬に幕張メッセで開催されたCEATECには、着脱可能なハードディスク(HDD)の「iVDR」(Information Versatile Disk for Removable usage )を地図データ用のメディアとして使う三洋電機の『iVDRゴリラ』が参考出品されていたが、ITS世界会議の会場には、ザナヴィ・インフォマティクス製のナビが初登場となった。
iVDRについてはキヤノン、富士通、日立製作所、フェニックス・テクノロジーズ、パイオニア、三洋電機、シャープ、日本ビクターの8社(50音順)で構成される「iVDRコンソーシアム」が、AV機器からPCまで幅広く対応する次世代大容量データプラットホームの標準化を目指して規格策定を行っているが、現時点で主導的な立場にいるのは、HDDを製造する部門(日立GST)を持つ日立製作所となっているようだ。
ITS世界会議の会場では、日立グループのブースにiVDRを紹介するコーナーが設けられ、そこにザナヴィ製のナビが出品されていた。ザナヴィのブースにも同じモデルが展示されていたが、日立側は電源ONで操作可能、ザナヴィ側は電源OFFという状態だった。
筐体は4DINサイズ級と超巨大だが、本来はインダッシュになるべき液晶モニター部が起立した状態と考えれば1DIN分がマイナスされるかもしれないが、iVDRのカートリッジが収まる部分だけでも1.5DINに近く、さらなるダウンサイジングが必要となるだろう。
説明員の話によるとメディアが置き換わっただけであり、ナビとしての基本機能は確保されているが、現状では「必要な部品を集め、ナビとしての基本動作ができる状態にしたテスト機」という扱いで、これをもって市販バージョンを前提とした参考出品モデルというわけではないという。
また、iVDRナビの発売時期についても未定だが、iVDRが使えるPC機器やAV機器が普及しなくては、映像や音楽などのコンテンツを移動させることができず、その魅力も半減。「対応機器を増やし、外堀を埋めていかないと発売しても人気が出ないでしょう」と説明員も語っていた。