ホンダから発売された3席×2列シートミニバンの『エディックス』。エンジンラインナップは、コンパクトミニバンの『ストリーム』に搭載されているタイプと同じ、1.7リッターと2リッターが用意されている。
ストリームでも定評のある1.7リッターエンジンは130ps/15.8kgmの出力を発生。中・低速トルクを重視したセッティングなので、発進時からスッとスムーズにクルマを押し出してくれる。
さすがに多人数乗車で、山道を登るようなときには力不足を感じることもあるが、4名乗車程度の市街地走行がメインであれば、1.7リッターでもまったく問題ないパフォーマンスを発揮してくれる。
フットワークも2リッターと比較すると、比較的市街地走行を重視した穏やかなセッティング。とくにソフトというわけではないが、2リッターよりもワンサイズ細い195/65R15というタイヤを履いていることもあり、全体的にマイルドな印象がある。
クルマの方向性としてもリヤスタビライザーを装備せず、リヤブレーキもドラムブレーキを採用していることからもわかるように、1.7リッターは走行性能を追求したモデルではないのだ。
開発責任者の本田技術研究所の角田正明氏も「2リッター車は走りを、1.7リッター車は燃費を重視して開発しています。そのぶん、1.7リッター車は価格も抑えられているので、お買い得度は高いと思います」
「エディックスの3席×2列シートという、今までにないコンセプトに共感して購入いただくというお客様には、1.7リッター車は非常にお求めやすいモデルだと思います」と説明してくれた。
実際のところ、エディックスはシートアレンジやエクステリアなど、クルマのコンセプトに関わる部分では1.7リッターと2リッターの差はほとんどない。その上、1.7リッターは細いタイヤを履いているぶん、最小回転半径が4.9mと小さく、取り回しにも優れている。
エディックスの使い勝手やシートアレンジの面白さに引かれて購入を考えている人には、1.7リッターが案外マッチするかもしれない。(つづく)