国土交通省・北陸信越運輸局は25日、車検切れの貸切バスを約1カ月に渡って使用していた能登西部バスに対し、6月2日からバス2台を合計75日間の使用停止とする行政処分を決定し、これを同社に通知するとともに、業務改善報告書の提出を要求している。
これは国土交通省・北陸信越運輸局(石川運輸支局)が明らかにしたもの。同局によると、能登西部バスは貸切バス1台の車検が今年3月23日で切れたことに気がつかず、その後の約1カ月間に渡ってこの車両を使い続けたとされている。
この間、同社はこの車両を団体輸送などで合計6回使用し、約120人を乗せていた。4月23日に運行前点検を行った運転手が車検切れの事実に気がついて会社に報告。同社から運輸局に車検切れ運行の事実が報告された。
同局はこれを受けて特別監査を実施したが、車検切れ運行だけではなく、法律で義務付けられた法定点検を受けていないバスが3台あることも明らかになった。また、一部路線では道路運送法で義務付けられた対面点呼を行わず、これを携帯電話で済ますなど、いくつかの不祥事も発覚している。
同局では処分を検討してきたが、バス2台に対して合計75日間(1台を38日、別の1台を37日)の使用停止処分とする行政処分を命じた。
また、監査で発覚した車庫の無届使用や、対面点呼の不実施などについては、これの改善を命じるとともに、結果を報告する業務改善報告書を6月22日までに提出するように求めている。
同社では「再発防止に向けた努力に最善を尽くしたい」とコメントしている。