「トヨタの独自性を出すにあたり、道具を使えるということを目標に開発してきました」……トヨタ自動車のロボット開発を統括する白水宏典副社長は語る。11日に都内のホテルでお披露目されたトヨタ製新型ロボットが使った道具とは、トランペットだった。
人間がトランペットを吹く場合、マウスピースと呼ばれる金属製の吹き口に唇を当て、「ブー」と発音する要領で唇を振動させて音を出す。練習すれば誰でもある程度は演奏できるようになるのだが、同じことをロボットがやるのは非常に難しい。
トランペット演奏機能を持たせるにあたり、トヨタは樹脂製の人口唇を開発したという。空気が漏れにくいようにデザインされた特別なマウスピースを装着し、それを口に押し当てて演奏するのである。
マウスピースの特殊な形状の関係で、普通に吹いてもミュートトランペットのようになってしまうのはご愛嬌だが、音階を弾くために指がピストンを押す速度は驚異的。ここ数年のモーター、アクチュエーター、ソレノイド、FPGAなどの制御関連デバイスの進化が見て取れる。