タイヤ脱落ダンプ、やはり整備されていなかった?

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今月18日、北海道江差町内の国道229号線で発生し、3歳の男児が死亡したダンプトラックからのタイヤ脱落事故について、国土交通省・東北運輸局の青森運輸支局は24日、このダンプの所有名義となっている青森県弘前市内の砕石業者への特別監査を実施した。

問題の事故は18日の午後4時35分ごろ、江差町水堀町付近の国道229号線で発生している。走行していたダンプトラックの左後輪が突然脱落。歩道を歩いていた3歳の男児を直撃し、男児は11時間後に死亡している。

事故を起こしていたダンプトラックはタイヤ(ホイール)を固定するボルト8本すべてが破断していたが、このうち2本については長期に渡って破断状態が見過ごされていた可能性が強まっている。

ダンプトラックは青森県弘前市の砕石業者が所有するものの、この会社は車両を使わず、北海道上ノ国町の砕石業者に貸し出され、さらに事故当時に運転していた男にまた貸しされていた。

事業用の車両が登録地以外を走ることは問題ないが、6日間以内(144時間以内)の連続使用しか認められておらず、週に一度は登録した事業所に戻って点検整備を実施する必要がある。

しかし、事故を起こしたダンプトラックは津軽海峡を隔て、フェリーなどを使わなくては戻ることができない北海道内へ長期に渡って貸し出され、144時間以内に事業所に戻すことが事実上困難だった。

そして現時点でこのダンプトラックの運行に関わっていた3社すべてが「使用する者が整備を行っていたと認識している」と回答。実際には整備責任がたらい回しの状態となり、適切に行われてこなかった可能性が高いことから、青森運輸支局では所有名義である砕石業者への特別監査を実施した。

青森運輸支局の監査に対し、所有名義人である砕石業者は「貸したのではなく、使わないから預けた」と強調。貸与中の整備に関しては「使っていたというのであれば、先方が適切に行っていたと考えるしかない」と回答し、実際に整備が行われていたかどうかは把握していないことをほのめかしたという。

《石田真一》

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