■来春にはBluetooth搭載モデルも
900iが3Gをリードする
今回、発表された900iは、N900i(NEC)、P900i(パナソニックモバイルコミュニケーション)、D900i(三菱電機)、F900i(富士通)、SH900i(シャープ)の5機種で、2月頃から順次発売される。さらに記者会見では、春先に発売される900iの派生モデルとして、P900iVとF900iTが発表された。特に注目なのはF900iTで、これはFOMA初のBluetooth内蔵モデルになる。
正式発表はされていないが、トヨタ自動車のBluetooth対応のG-BOOK純正カーナビでも使える可能性は高い。また、Bluetooth内蔵のFOMAは、携帯電話との接続がボトルネックになっているテレマティクス分野の追い風になるだろう。
900iに対してうがって見方をすれば、「505iのiモード機能をFOMAでキャッチアップしただけ」と片づける事もできる。しかし、筆者はそれで十分だと思う。そもそも505iや505iSで採用されたiモード機能群は、第2世代携帯電話のmovaには荷が重すぎたのだ。よいワインがよい料理を求めるように、進化したiモードはFOMAという伴侶とのマリアージュ(結婚)を求めていた。その実現を素直に喜びたい。
記者会見の質疑応答で、筆者があえて2004年度の販売目標を尋ねたところ、
「ドコモとしての販売目標はまだ定まっていないが、個人的な意見では500万台以上はいってほしい」(夏野部長)
との答えが返ってきた。しかし、これは控えめな数字かもしれない。900iは非常に魅力的なモデルで、現在、50xシリーズを使っているユーザーは積極的に買い換える価値がある。さらにauやボーダフォンの3Gと比べても、多くの点で現在は900iに軍配が上がるだろう。
auが900iに対抗できるのは、パケット料金定額制を実現した新3Gサービス「CDMA 1X WIN」が主力機種に投入される来年の春夏モデルまで待たなければならない。ボーダフォンに至っては、当分の間、国際ローミング以外で900iの影を踏むのは難しいだろう。端末価格は未定だが、505iS相当の水準ならば、軽く700万〜800万台は売れるのではないか。
NTTドコモの900iが刺激になり、日本の携帯電話市場は来年、3Gに大きく移行する。それはテレマティクスやITSにとっても、福音になるはずだ。