『タント』には、ターボとNAの2つの3気筒エンジンがラインナップされている。ファミリーユース中心の軽自動車にターボ車を設定した理由に関して、開発主査の薗田孝氏は「アウトドアレジャーの相棒」と語る。
「ターボ車のターゲットユーザーは、タントを送迎や買い物などといった日常的な使い方に加えて、休日には釣りやキャンプといった使用を考えているお客様に向けてラインナップしました」
「低速からトルクの出るターボエンジンと電子制御ATの組み合わせは、高速道路での巡航はもちろん追い越しにもレスポンスよく対応してくれる、たよりになるパワートレインです」
ターボ車の走りはターボを意識させないナチュラルなフィーリング。発進から徐々にトルクが立ち上がり、高速域でもアクセルを踏み込めば瞬時にキックダウンして、なかなかの加速を提供する。
対するNAは、日常的によく使う4000回転前後のトルクを厚くしながら、アクセル全開時には可変バルブタイミング機構が働き、高回転まで加速が得られる、扱いやすいエンジンだ。
日常的な使い方ならNAで必要充分なパワーが得られる。しかも高回転域まで加速感が得られるので、高速道路でのちょっとした移動も苦にならないだろう。ただし広い室内とラゲッジルームを存分に使って遊び回りたいユーザーなら、ターボの選択も間違いではない。
薗田主査は販売比率の3割程度をターボ車が占めると予測している。