『タント』のエクステリアは、軽自動車としてはかなり個性的だ。
1725mmというハイルーフを生かし、ウェストラインを中心としたボディの上下分割比をほぼ1:1としており、広大な室内空間を視覚的にもアピールしている。車内への採光や視界の向上を左右するウィンドウの面積も軽自動車としては異例に広い。
デザイン処理で最も目を引くのは、Aピラーを2分割し、そこにフロントクォーターウィンドウをはめ込んでいるところ。80年代に乗用ミニバンというコンセプトを世界で初めて提案したルノー『エスパス』のデザインを彷彿とさせる。
そのAピラーからリアクォーターガラスにかけて、ピラーはブラックアウトされ、ガラスエリアがボディを取り巻くようなウィンドウグラフィックを構成している。ボディパネルの面質といった実際の質感ばかりでなく、デザイン処理で質感の高さをアピールしているというのも、タントの大きな特質のひとつとなっている。