渋谷バイク通り魔事件の容疑者は「危険な男」として有名

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警視庁は6日、先月24日深夜に東京都渋谷区内で発生したバイクを使った連続通り魔事件の容疑者として30歳の男を傷害容疑で逮捕したことを明らかにした。逮捕当時には覚せい剤も所持しており、事件との関連を調べていく方針だ。

この事件は7月24日の午後10時40分から同50分までの間、JR渋谷駅を中心とした半径400m圏内で断続的に発生している。バイクに乗った男が通行していた男性5人を次々にナイフで切りつけて逃走したというもの。

対向車線側にいた男から言いがかりを付けられて追跡された上で切りつけられたり、コンビニエンスストアの店内まで追ってこられて切りつけられるなど、その特異性が注目されていた。

警視庁・渋谷署はコンビニエンスストアの防犯カメラが撮影していた男の画像を公開して一般からの情報を求めていたが、7月21日の未明に渋谷区円山町の飲食店で店員とトラブルを起こし、暴行容疑で指名手配されている男が通り魔事件の容疑者に酷似していることが判明した。

この男は店員とトラブルになった際、ナイフを店員の首筋に突きつけるなどしていたが、後の調べで渋谷の飲食店に勤務する店員の間で「何をするかわからない危険な男」としてマークされていたこともわかった。

警察ではこの男が通り魔に関与した可能性が高いとして、男の知人などから事情を聞いていたが、事件直後に「あの事件は俺がやった」と男が吹聴していたという情報を得た。

また、この男が千代田区内のホテルに滞在しているという情報も合わせてつかみ、警視庁の捜査員がホテル周辺での張り込みを続けていたところ、6日の午後2時に男を発見。店員に対する暴行容疑で警察への任意同行を求めたところ、大暴れする事態となったため、数人がかりで取り押さえて暴行容疑で緊急逮捕した。

警察で所持品の検査をしたところ、覚せい剤と注射器のセットも発見されたことから覚せい剤取締法違反容疑も加えている。

男は同日の夜に書類上では釈放扱いとなり、その直後に通り魔事件に関与した傷害容疑で再逮捕となった。

警察では現在も男に対する取り調べを継続しているが「ムシャクシャしてやった。相手は誰でも良かった」などと容疑を認める供述をしているという。犯行に使用したナイフとバイクについては「ナイフは無くなった。バイクは友人から借りたが盗まれた」と話していることから、警察では所有者の友人からも事情を聞く方針だ。

事件当時の薬物使用の有無については今後の取り調べで解明していくとしているが、逮捕当時にも覚せい剤を所持しており、通り魔事件の被害者も「薬物中毒者のようだった」と証言していることから、使用していた可能性は非常に高いとみられている。

《石田真一》

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