パナソニック『ストラーダCN-DV150/CN-DV250』は、今年春に発売されたハードディスクナビゲーション『CN-HDX730D』の演算関係メカニズムをほぼ踏襲しながら、地図データの読み込み用としてDVDドライブを採用したという違いがある。
データ用ディスクだけではなく、DVDビデオも見られるコンバーティブルドライブを採用し、エンターテイメント機能の向上に寄与しているのもポイントだ。
「ストラーダでは“From Home to Car”を掲げており、家庭とクルマを結ぶということを考えた場合、家庭でのエンターテイメントであるDVDビデオを車内に持ち込むというのが一番わかりやすいと考え、それを実践するためにビデオ再生を可能にしました」と説明するのは、パナソニック・オートモーティブシステムズの福島好雄・ビジネスユニット長。
「家庭用のDVDビデオ機器を販売し、その普及を目指している会社が売り出すDVDカーナビです。だから製造コストが多少アップしてもDVDビデオの再生機能を落とすわけにはいかないだろうということになりました」
「今回のモデル(CN-DV150/CN-DV250)では、市販されているDVDビデオソフトの再生に対応しています。この商品のメインターゲットは30歳代後半以上で、DVD=映画用ディスクと考えているところもあり、そうした意味でも再生機能は欠かせませんでした」
福島ビジネスユニット長の説明によると、ツタヤなどの大手ビデオレンタル店がDVDビデオのレンタルサービスを本格化させたことで、家庭でDVDを使って映画を見るという流れはすっかり定着したという。それを物語っているのが家庭用DVD機器の急激な売上げ増加であり、その流れは確実に家庭を飛び出すとPAS社は判断した。
もちろんこれまでにも車載用のDVDプレーヤーは存在していたが、5.1chサラウンド機能などのオーディオ機能を前面に押し出しており、フルシステムを揃えた場合の価格は非常に高かった。お世辞にも一般向け商品とは言えない状態だったのだ。その流れを根底から見直し、一般向けとしたのが今回の商品だという。
「車載用DVDを単体で買ってくれる人は少ないですが、DVDビデオ再生も可能なカーナビは売れるというデータはありました。DVDビデオ再生中はナビ機能が使えないものでも売れているのです。だったらナビとビデオを両立できる機種を作り、それを安価で売れば必ず人気商品になるはず。そうした考えからこの商品の開発がスタートしています」と福島ビジネスユニット長。
この商品を単体で見るとその意図は見えにくいが、DVD機器の普及を目指すというパナソニック全体の戦略を眺めた場合、この商品が非常に重要な位置を占めているいうことがはっきりとわかってくる。