SUVは安全、それとも危険?

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アメリカではSUVの安全性に関して議論が高まっているが、自動車の安全度などをテストする2つの機関がこの問題に対して協調姿勢をとり、詳しい研究報告をすることになった。国家の運輸省管轄機関であるNHTSA(道路交通安全局)ともうひとつのクルマの安全格付け機関であるIIHS(道路安全保険協会)。

SUVの危険性を最初に指摘したのはNHTSA。デトロイトオートショーの時期に「車高が高く重心が上にあるSUVは横転の危険性が高い」と指摘し、アメリカ中が驚いた。発表を行ったジェフリー・ラング博士は、「私が決して運転しようとは思わないSUVも何台か存在する」とまで発言したのだ。それまでSUVに関しては「頑丈なため衝突時に相手の車に大きなダメージを与える」という加害危険は議論されてきたが、SUVそのものはむしろ安全な車、とみなされていた。

これを受けIIHSも調査に乗り出すことを明らかにした。IIHSは保険会社がスポンサーとなっている機関で、保険料査定の観点からクルマの安全性についての独自テストを行っている。このIIHSが、SUVの横転の危険度や乗用車との衝突の際に与えるダメージなどについて徹底調査する、と発表したのだ。

ラング博士は今月26日、アメリカ上院議会でSUVの危険性についての証言を行う予定で、問題はSUVへの安全基準を高める法的措置や保険料の値上げなどにも結びつくため、SUVをドル箱としている各メーカーは戦々兢々としている。

《Sachiko Hijikata, US editor》

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