13日に東京臨海副都心のトヨタデザインMEGAWEBスタジオにて開催された「デザイナーズトーク」。デザイン全体をまとめたトヨタ第2デザイン部第21デザイン室の大島誠室長によると、「『プロボックス/サクシード』のリヤドアドアをつくるには技術よりも奇術が必要だった」という。
今月2日に発表された新型コマーシャルバン「プロボックス」と「サクシード」。両者はそれぞれ『カローラ・バン』、『カルディナ・バン』の後継であり、「サクシード」の方が車格は上になる。全長は4300mmであり「プロボックス」との差は105mm。ホイールベースは同じ2550mmであることから、この差はフロント/リヤオーバーハングで作り出していることになる。
なかでもリヤオーバーハングの差は55mm。大島さんによると「この差は全てバックドアだけでつけている」という。サクシードのドアは一枚もののプレス製であり、かなりの深絞りの技術を要する。一般に鉄板で3次元に複雑なプレスを行なうと、「しわ」が発生したりと技術的にも高いレベルが要求される。
「ここまでの深絞りは今までになかった。そのためにもプレスのエンジニアに頑張ってもらった。エンジニアには要求される技術レベルの高さから『プレス技術よりもプレス奇術が必要ですよ』といわれた程だった」と大島室長は語る。