日本で発売される新型『ポロ』には、1.4リットルのガソリンエンジンが搭載されているる。実はひとつ下のクラスになる『ルポ』に搭載されているものと全く同じだ。両車の価格差は約40万円。他社のスモールクラスと戦う以前に、まずは身内同士での争いになるのではないかという心配も出てくる。ところがフォルクスワーゲンジャパン(VGJ)では「この2車が直接競合することはない」と考えているようなのだ。
広報担当の相澤直紀さんは「ユーザーの用途が異なるでしょうから、直接の競合は起きないでしょう」と語る。VGJ社内ではルポを「主に1人乗りで使うパーソナルユース志向のクルマ」と位置づけ、新型ポロは「フル乗車を前提に考えたファミリーユース志向のクルマ」と認識している。新型は旧型に比べ、若干ではあるが全長をストレッチしている。このストレッチした分は後席の居住性に寄与しており、その点がパーソナルユース寄りだった先代とは大きく異なる点だとしている。
また、ポロの発売が5ドアからということもあり、実際のセールスが開始された段階では「3ドアのルポ、5ドアのポロ」という流れで販売が進められるらしい。ただ、今年秋にはポロの3ドアモデルも発売され、ルポの「コンフォートパッケージ」との価格差は20万円に圧縮される。そうなると両車同士が競合することも充分に考えられる。
「ただ、その頃にはある程度のイメージが定着していると考えられます。むしろその頃にはポロと『ゴルフ』の競合が発生する可能性の方が高いと予測しています」と相澤さんは語る。最終的には買ったクルマをどう使おうかというユーザーの判断と、サイフの中身次第ということ。