オーストリアGPでザウバーのニック・ハイドフェルトに激しく衝突され、奇跡的に大きな怪我も負うことがなかったジョーダンの佐藤琢磨。しかしマシンは修理不可能な状態にあるため、モナコGPをスペアカー1台だけで乗り切らなければならないという苦しい事態に陥ってしまった。
F1カレンダーの中でも最もドライビングが難しいと言われるモンテカルロだけに、レースディレクターのゲイリー・アンダーソンはドライバーにいつも以上の注意力を要求している。「ジャンカルロはモナコをよく知っているが、初めてF1マシンでモナコを走るタクマにとっては全く新しい経験となるだろう」
「しかし昨年、モナコによく似たストリートサーキットであるマカオGPで勝利を収めたコントロール力があるだけに、いい仕事をしてくれるはずだ。マシントラブルやダメージは通常よりも大きな痛手となるし、タイムロスのもたらす影響も大きい。モナコでは予選がすべて。持っているもので何とかなるように、ドライバーはバリアに充分気をつけてきっちりとタイトなドライビングをしなければならない」
先に行われたヒストリックレースでも決勝は棄権という結果に終わっただけに、琢磨にとっての初めてのモナコは厳しいものになりそうだ。