新型『エルグランド』を目の前にして思うのは「とにかく大きく、そして車内装備が充実している」ということ。オーナーが楽しむだけでなく、まるでリアシートに乗せたお客様を満足させることに主眼を置いたゲスト志向のクルマでもある。車両を開発する上で注意した点などを日産車体の小宮英治さんから聞いた。
「先代も非常に良いクルマだったと思います。新型ではさらにそれをよくするため、重箱の隅まで突くようなつもりで、私たちがネガティブであると感じていた部分の改良に努力しました」と言う。
そのひとつがエアコンダクトの改良だ。先代モデルでは運転席後方からダクトを後席まで走らせる設計だったため、ダクト部分が車室にはみ出し、それが圧迫感を生む要因になっていたという。新型ではダクトをDピラー部分に埋め込み、後方から前に導く方式に改めた。このため頭上の空間がフラットになり、見た目の開放感は確実に向上している。
また、3列目のシートの跳ね上げ位置を改良し、2カ所で固定できるように改めた。ヘッドレストを取り外すという手間はかかるが、先代よりも後方で固定できるようにしたため、運転席−セカンドシート間の距離を従来より15センチ程度増やせた。もちろんこれはセカンドシートの居住性に寄与する結果となっている。