ホンダが行った工場内の環境調査において、同社の和光工場から環境基準の500倍を超えるシアンが土壌から検出された問題で、埼玉県環境防災部水環境課は15日、周辺井戸の水質を調査した結果、シアンを検出する異常が見られなかったということを明らかにした。
これはホンダが内部の調査として、2001年9月から12月に行った和光工場内の土壌検査でシアン検出が明らかになったことが発端。ホンダが同工場内の土壌を検査したところ、3カ所から環境基準の0.1ミリグラムを大幅に超える51ミリグラムのシアン化合物を検出。このため水質検査を追加して行ったところ、先にサンプルとなった土壌を採取した地点に近い井戸の地下水から5.8ミリグラムのシアンを検出した。
このためホンダは埼玉県に対してこの事実を通報するとともに、周辺の環境調査を依頼。これを受けた埼玉県が今年1月から3月の間、同じ地下水源を使用していると思われる工場外の井戸8カ所の水質汚染を継続的に調査してきた。
しかし、工場外の井戸からシアン化合物は検出されず、現在はこの水が飲用にも使用されていないことから「周辺環境に影響なし」として、ホンダ側への回答を行うとともに、同社に対しては将来的に周辺環境へ悪影響を及ぼすことがないよう、早急に浄化対策を行うように指示したとしている。