気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2002年3月25日付
●Fニッポン、ラルフ・ファーマン開幕V(朝日・18面)
●主要企業の来春新卒者採用「理高・文低くっきり」自動車なども削減(読売・9面)
●千葉・八街でタクシー運転手刺殺される、路上で口論、男逃走(東京・29面)
●フォード、フィリピンから乗用車輸出、インドネシアとタイへ (日経・11面)
ひとくちコメント
証人喚問以降、あの「ムネオ」の活字がやや影をひそめたかと思ったら、今度は急先鋒役の社民党・辻本清美代議士の元政策秘書給与疑惑が発覚。攻守は一転したが、相変わらず、政治疑惑ネタが踊っている。自動車関連でも攻守ところを替えるかどうか注目されているのが、新型日産『マーチ』の投入で一段と激しくなった小型車販売競争。
そんな最中、3月決算を控え、日産自動車が有利子負債削減のために、系列部品メーカーなどの株式売却を加速させている。先週22日には栃木富士産業の保有全株式(発行済株式の20.4%)を英国のGKNオートモーティブインターナショナルに売却すると発表。今月に入ってからだけでも、樹脂加工品の河西工業、車載音響機器のクラリオンの株式を大量売却している。
「安くて高品質の部品を調達するためには、部品メーカーを資本系列下に置く必要はない」というゴーン流の経営方針に基づくものだが、毎日(23日付朝刊)は「“日産圏”と呼ばれた日産と系列メーカーの関係が、急速に解体されている」などと報じているように、人情よりも目先のカネを優先するツケが、後日高く回ってこなければいいのだが……。