日産のミニカー連動デバイス、車の制御信号を利用…スタートアップピッチで準優勝

生成AIを活用した車載エージェントシステム「AutoDJ」
  • 生成AIを活用した車載エージェントシステム「AutoDJ」

日産自動車は12月5日、総合研究所の横浜ラボが開発した運転中の車の動きに連動して車内に設置したミニカーやフィギュアが動くフィジタルデバイスが、スタートアップピッチイベント「WE AT CHALLENGE 2025」で企業賞の準優勝を受賞したと発表した。

この企業賞はウェルビーイングな事業の将来性や、事業に込められた思いを総合的に評価して選出されるもの。同デバイスは日産が長年にわたってAIやUI/UX研究に取り組んできた成果を活かし、これまでにない新しいユーザー体験を提供する点が評価された。

このデバイスは、専用開発したスマートフォンアプリと連動し、ドライバーがステアリングや方向指示器等を操作する際に発生する車の制御信号を利用してミニカーやフィギュアをリアルタイムで動かす仕組みを実現した。これにより、走行中の車の動きに合わせて、実物のミニカーが走行中の車と同じ動きをする。

デバイスの独自性は、ミニチュアのような実体を持つフィジカルと、スマホアプリ内の表現であるデジタルを融合させた「フィジタル」と呼ばれるアプローチを採用している点だ。実物のミニカーとスマホアプリ内のデジタルフィールドが、実際に走行する車とシンクロするという新しいユーザー体験を提供するこのデバイスは、自動車市場と玩具市場の双方をターゲットとし、国内外での展開を目指している。

懐かしさと新しさが同居するこのフィジタルデバイスは、「好きなものと一緒にいる」というウェルビーイングの価値を高めることを目指している。

「WE AT CHALLENGE 2025」は、シンガポールのTEMASEK Foundationと連携したアジア最大級のウェルビーイングの祭典を目指したピッチコンテスト。グローバル規模の社会課題解決を通じたウェルビーイング産業の発展を目指す一般社団法人WE ATが主催し、日産自動車も幹事会社の一つとして参画している。昨年に続き2回目の開催となり、今年は世界40カ国、600件近い応募からファイナリスト・各受賞者が選出された。

《森脇稔》

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