昨年秋、軽自動車は「新規格」導入から3年目の買い換え時期だった。ダイハツ、三菱、スバルと、各社ニューモデルをそろえ、軽ナンバーワンのスズキも「貨客兼用のワゴンRより上質で快適に使える軽ワゴン」と謳う『MRワゴン』を発表した。MRワゴンの大きな特徴は、「先進的」な外観と「上質」な室内。外観はシンプルかつナチュラルな雰囲気で、今までにないボディカラーも用意した。室内はカラーコーディネイトと素材感を巧みにまとめた。この結果、これまでの軽自動車がもっていた「生活臭」がうまく脱臭されている。軽自動車に対しては、多くのクルマが走りに課題があるという印象を強くもっているので、MRワゴンも厳しくチェックした。だが、日常のアシとしては、まったく問題なかった。排気量は660ccと小さいが、試乗車にはターボエンジンが搭載されており、気持ちいい加速感が味わえた。しかし、日常域では問題なかったのだが、さらに速度を上げるとガサツな部分が目立つようになった。高速道路に入り時速80km/hに達すると、室内は騒がしく、路面の変化に対してサスペンションの処理が追いつかなくなる。クルマの動きに落ち着きがなくなってしまうのだ。実際の軽自動車の使われかたを考慮すると、これは正しい味つけだと思う。だが、いつも普通車を使っているドライバーに対して「上質で快適」と納得させるには、ちょっと力不足かもしれない。《河口まなぶ》
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