気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2002年2月12日付
●東洋ゴムやブリヂストン、中国でタイヤ増産(日経・7面)
●トヨタ社員、元部下の遺体遺棄容疑で逮捕、殺害認める供述(日経・31面)
●名車リストラ、往年のイメージ若者は敬遠(読売・10面)
●オートバイなどコピー商品、官民で対策(朝日・3面)
●世界規模の鉄鋼再編、設備集約が最大課題(毎日・11面)
●オーテックジャパン、キャンピングカー「フィールドベースX」発売(毎日・11面)
●社説・財界統合「改革確かなものに」(東京・4面)
●消えゆく往年のスポーツカー、ミニバンや低燃費車人気で生産中止に(東京・7面)
●「人に志あり」トヨタ自動車・奥田碩会長「剛腕社員が“左遷”された」(産経・1面、続き6面)
●5万円スクーター目指せ、各社値下げ競争激化(産経・7面)
ひとくちコメント
きょうは朝刊の休刊日。だが、「特別朝刊」(読売)「朝刊特別版」(朝日)など、題字下の名称は違っていても、各紙が一斉に休刊日特別版を発行している。表向きの理由は「ソルトレークシティ冬季五輪開催にあわせて特別版をお届けする」(読売)というものだが、4月から朝刊専門紙となる産経が、いち早く新聞休刊日に駅売りなど即売特別版(100円)の発行宣言をした対抗措置である。
従って、産経以外は、一部地域を除き通常通り配達されたが、逆に産経の定期購読者だけが、最寄り駅のスタンドなどで有料で買い求めなければならなかった。休刊日は新聞各社の都合で取り決めたもので、読者はそれに従っているだけのこと。新聞はネット媒体には速報性で負け、週刊誌に比べ企画力で見劣りする。大新聞に期待するのは足で稼いだ読みごたえのある情報だ。
ところがきょうの各紙をみると精彩を欠く記事のオンパレード。自動車関連では、読売と東京が「一世を風靡した往年の名車が消える」という“旧聞”を同時掲載。産経がトヨタの奥田会長をクローズアップしているが、1面中央に大きく取り上げる紙面センスは如何なものか。気になる記事は日経の社会面に元トヨタ社員による部下の殺害事件の続報が小さく報じられているが、これまでの報道は「豊田市の自動車製造会社」になっていた。大スポンサーに配慮する気持ちもわからないではないが……。