重量物を積んでも車体を水平に保ち、ばね定数を変化させて煽られることがないという新開発のダンパーが、『マークIIブリット』(Jエディションを除く)のリアサスペンションに採用されている。
「数値上はもちろん、実際に乗って体感しても、これまでにないくらい路面追従性が高いアシになりました」と、第1シャシー設計部の藤音健司担当員は自信たっぷりに語る。
このダンパーは、ガス室とオイル室が分割され、その上に複筒式のダンパーが載っている構造だが、一般的なフリーピストンによる隔壁ではなく、ダイヤフラム(ガス室とオイルを分割するゴム膜状のもの)を隔壁としており、「ダイヤフラムのたわみによって伸縮するため、フリーピストンにありがちな動き始めのフリクションが存在せず、減衰がスムーズに起ちあがる」という。
またセルフレベリング機構も備えており、「一定のストローク量を超えると、そこにある切り欠きからオイルが低圧室から高圧室に徐々に移動し、ロッドを持ち上げる作用によって車高を保ちます」。
車重増加による減衰力不足に対しても、「25barという高圧ガスがおよそ100barほどまで高まり、見かけ上のばね定数が上がってピッチングを抑制する仕組みです」とのことである。担当者の自信たっぷりな様子が印象的な取材であった。