気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2001年11月9日付
●トヨタ9月中間で過去最高の決算、売上高6%増、経常利益33%増(読売・1面、関連記事9面)
●日中協議見えぬ進展、自民、セーフガード正式発動へ圧力、自動車業界、保護に圧力(朝日13面)
●金融庁、自動車損害賠償責任保険、事故傷害の限度額アップで運用案(毎日・3面)
●東京外環状道路の凍結検討、自民第2東名も(東京・1面)
●トヨタとホンダ、「2強時代」(産経・9面)
●首都圏サミット、ディーゼル車税など都知事提案(日経・37面)
●三菱自動車「レグナム」など2車種、1万台リコール(日経・42面)
ひとくちコメント
トヨタ自動車の9月中間の連結決算が発表となった。国内外の景気低迷が各メーカーの収益を圧迫している中で、売上高、利益とも中間期として過去最高を記録した。きょうの各紙は、トヨタの好決算を大きく取り上げているが、中でも一番派手に掲載しているのが読売で、一面5段の囲み記事と経済面の「NEWSフロント」でも特集している。
産経、毎日、日経も一面と経済面、東京は3面と経済面に書き分けているが、朝日だけが経済面のみで、しかもセーフガードの日中協議をトップに取り上げて、トヨタの決算は3段と地味な扱いだ。
各紙とも記事は絶好調の決算発表の数字をベースに構成されているので、大差がないが、「一人勝ちが続くことには反動も予想される」(読売)、「壁は北米、苦戦の予感も」(東京)、産経もやはり好調のホンダとセットで「さらなる商品力の強化と、油断なくコストにメスを入れ続けない限り、好調な両社も一手のミスで足元をすくわれかねない」などと分析している。
社内では大企業病が蔓延しかねない火種も指摘されており、経営陣は厳しい警告記事も謙虚に受け止める姿勢も必要だ。