自動車の排ガスや工場のばい煙で健康を害したとして、名古屋市南部の住民が国や企業に損害賠償を求めていた「名古屋南部大気汚染公害訴訟」で6日、原告と国、被告企業が和解で合意した。企業10社が和解金として15億円あまりを支払うほか、国は国道の車線削減に向けた検討や、愛知県がNOx法に基づいて行う総量削減計画への支援、健康影響調査などを実施すると約束した。
粒子状物質と健康被害の因果関係について国は「現時点では証拠がない」という姿勢を崩さないものの、昨年暮れの尼崎訴訟に続いて国が排ガス対策を確約することになり、他地域での公害訴訟にも大きな影響を与えそうだ。