電力自由化で停電、自家発電すればディーゼル公害、そして肺がん?

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カリフォルニアに続き、ニューヨークなどの東部の州でもこの夏の電力が不足する心配が出てきているアメリカ。停電になった際、病院などに緊急に電力を供給する発電機は現在ディーゼル動力が中心だ。ところがカリフォルニア州大気資源管理局(CARB)は、「ディーゼル発電を行った場合、付近の住民の発ガン率は50%上昇する」という声明を発表。これに対しディーゼル技術協会が「裏づけのない声明」と抗議文を送る事態に。

アメリカの緊急時の発電に関する法律では、病院など緊急を要する施設に関して停電が起こってから10秒以内に電力を供給できることを要求している。この要求を充たせるのは現在のところディーゼル発電だけだ。またハーバード大学のガン研究所では、ディーゼルによる肺ガンの危険性は1%程度、とも発表している。

電力不足が深刻なカリフォルニアでCARBがこのような発表を行うことはいたずらに人々に恐怖を与えるだけ、根拠のない数字、とディーゼル技術協会は非難している。しかしCARBではディーゼル発電機の使用を年間200時間以内にする、という方針を変更する意志はないという。ニューヨークではパタキ州知事が停電に際してディーゼル発電機の利用を積極的に勧めているそうで、一体どちらが正しいのかアメリカ人は厳しい二者択一を迫られそう。

《Sachiko Hijikata, US editor》

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