『トリビュート』を見てあっと驚く人は少ないだろう。いかにもSUVというカタチのクルマである。これまで発表された他社の新型車たちと比べるとトリビュートはおとなしく感じてしまうのではないだろうか。しかしデザイナーに言わせると、それがねらいなのだ。
トリビュートのデザインを担当した、デザイン部デザインスタジオ・マネージャーの林浩一氏は「基本的にあまり冒険はしていません。はやりすたりのあるデザインにはしたくなかった。アメリカではこのスタイルがスタンダードなんです」と語る。「我々としても今回は抑えたデザインにしています」とマツダのデザインの臨機応変をアピールする。
トリビュートには、『ホイールアーチモール』と『サイドクラディングパネル』の付いたよりSUVらしい『GL-X』というグレード、そしてそれらのない『LX』という2種類のグレードが用意される。GL-Xは本格的SUVとして、LXはオールラウンドに使えるワゴンとしてデザインされたという。
アメリカではすでにGLグレードが販売されているというが、月間6000台を販売していることからもその人気がうかがえる。しかし日本市場では、マツダの言うところのワゴンであるLXが、大きくなった『デミオ』のような価値観で受け入れられるかどうかに運命が掛かっている。