STiのエンジンはWRXとどこが違うのか、エンジン設計部主査の大雲浩哉さんにうかがった。
「同じ部分の方が少ないくらいですね。まずシリンダーブロックが違います。STiのシリンダーブロックはリブを増やして剛性を上げていますし、ピストンは鍛造の専用品、コンロッドも強化品を使っています」
-----なるほど。ではタービンはどうですか。大きくなっているんですよね?
「そうですね。2リットルの4気筒エンジンで、38.0kg-m/4000rpmというトルクを出すために使っています。タービン自体にも工夫をして、コンプレッサーとハウジングの隙間を実質ゼロにして、過給効率を高めています」
-----可変バルブタイミング機構はWRXにも付いていましたが、カムは同じものですか?
「いえ、カム山が違います。それに伴ってECUも専用チューンとし、パワーはもちろん燃費にも気を配っています。10・15モード燃費は10.4km/リットルという値になっています」
-----なるほど。最後に、このエンジンを開発するにあたっていちばん気を付けたところを教えて下さい。
「強度にはいちばん気をつかいました。STiというクルマはモータースポーツ用にチューンして楽しむ方も多いので、そういった使われ方でも壊れないように充分配慮しました」
STi用エンジンは、バルブに始まり、ピストン、コンロッド、タービン、シリンダーブロックなど、主要部品の多くが専用部品となっている。さらにはチューンアップまで考慮した強いエンジンだとのことであった。