フォードの高級車ブランドであるリンカーンは、ディーラーに対しより厳しいサービス基準を求めることで、ディーラー認証を大幅に見直す予定である。これによりリンカーンを扱うディーラー数は減少する、と見込まれている。
リンカーンがディーラーを減らしてでも、顧客の満足とイメージを大切にしたディーラー網を構築したい、と考えるのは、ディーラーのイメージと高級車のイメージが深く結びついているため。アメリカで毎年行われるディーラーのサービスに対する満足度調査では、常にレクサスが1位に選ばれ、メルセデス、BMWなどが続いている。リンカーンでも高級車というイメージをさらに浸透させるためには、ディーラーの再教育が必要、と感じているようだ。
見直しの結果再認証されたディーラーに対しては、割り引きなどのボーナスが贈られる。これは認証されないディーラーには与えられない特典である。現在リンカーンはアメリカ国内で好調な売れ行きを示しており、メーカーとしてはむしろディーラー数を増やすようマーケットからプレッシャーを受けている。そんな中であえてディーラーを減らす冒険を行うのは、アメリカン・メーカーにもサービスがいかに大切か、ということが浸透してきた証拠と言えるかも知れない。