ボディは3ドアと5ドアの2タイプ。スモールSUV本来のアクティブさや軽快感は3ドアならではのものだが、やはり商売では5ドアに軍配が上がる。これはホンダ『HR-V』でも実証されたこと。
トヨタ自動車の第3デザイン部長、福市得雄氏はいう。「ウーン。やはり『RAV4』のオリジナリティといえば、短いボディで機敏に走るというイメージなのだけれど、ユーザーの事情を考えると…。3ドアを見て欲しくなって、5ドアを買うひとが多いんじゃないでしょうか」
だからといって、3ドアをあきらめた人たちを失望させないように、5ドア=3ドアのストレッチ・バージョン、ではなく両車のデザインを明確に差別化している。Bピラーは、3ドアが太くたくましいの対し、5ドアではブラックアウトされて存在を意識させない。むしろサイドのキャラクターラインは3ドアのほうが窮屈な印象を感じる。
「じつは最初のデザインは、5ドアからスタートしているんです。もちろん3ドアのボディ・バリエーションも想定した上ですが。結果としてそれぞれのキャラクターはうまく分けられたと思います」
そこまでしてデザインを差別化した理由に、5ドアユーザーには意外と年配者も多いということがある。高いアイポイントからくる運転のしやすさ、そして小回りが利くという機動性、実用性が受けているのだそうだ。そのためにも5ドアは熟年以上にとってあまり気恥ずかしいデザインにならないように心がけたという。
マイホーム・パパと思われたくないオトーサンや、熟年世代にもおすすめのスモールSUVということか。案外もみじマークも似合うかもしれない。