米国・ラスベガスで開催されたコンシューマーエレクトロニクスショー(CES)2000では、半導体メモリーを使ったカーオーディオに注目が集まった。半導体メモリーによるオーディオプレーヤーはMP3が日本でもよく知られているが、これ以外の方式の半導体メモリーを使ったカーオーディオが数多く出展されたのだ。 MP3に対応した試作品を参考出品したのはケンウッドで、MP3で録音したCDが再生できるCDレシーバーと、マルチメディアカードを使ってMP3が再生できるCD&マルチメディアカードレシーバーの2モデル。パナソニックは同社が提唱するSDメモリーカードを使ってのモックアップを2モデル出展。カードスロットを用意した標準的なものと、もう一つは携帯型プレーヤーをそのままカーオーディオに差し込んで使用するという、ポータブルとカーオーディオがリンクできるものとなっている。こちらは来年春の発売を予定しているとのことだ。これ以外にもソニーがメモリースティックを使ったカーオーディオを出展していた。 米国では、カーオーディオとしてはCDとカセットが主流。日本で人気が出ているMDはほとんど普及していない。これはソフトの価格が日本に比べて圧倒的に安いことから、録音する考えが基本的にないことに起因する。ソフトは基本的に購入するもの、という考え方が根付いているのだ。しかし、その米国では今半導体メモリーによるオーディオプレーヤーは急速に広がろうとしている。これは聴きたい曲がネットワークを通じて簡単にダウンロードできるという便利さが背景にあるといわれる。米国ではMDの普及を飛び越え、一足飛びに半導体メモリーによるオーディオ文化が広く普及する状況にあると言っていいだろう。
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