いいものをいいと言って、なにが悪い。すでにもう開き直りたい気分だ。フロントのナンバープレートが中央ではなく、向かって右側に付けられているのを見ただけで、アルファらしいと大きくうなずいてしまう。
アウディの“Sモデル”が、標準車に対し、より動力性能を高めた存在であることはご承知のとおり。ところが実際に試乗してみると、モデルごと独自のプランで仕立てられていることがわかる。
1968年に初代が登場した『ハイラックス』は2004年の6代目モデルの際に日本での販売を終了。7代目モデルは日本では販売されなかったが、今年、2017年に再販を決定。
東京からわずか90分、軽自動車に乗って南欧のビーチリゾートに愛犬連れで行けるのか? 実は行けるのである。
「初代LSの衝撃を超えるクルマにしてください」
弾丸を連想させる、まるっとしたデザイン。全高は1685mmだが、まるっとしているせいか横幅があるせいか、もう少し低く感じる。とはいえ、重厚感のある存在感は半端ない。
手堅いなあ…が第一印象。コンサバという意味ではなく、SUVの本家本流らしい説得力に満ちた一新というべきか。世界/日本市場のどちらも販売台数が右肩上がりだったという先代の流れは、この新型でもしっかり受け継がれるに違いない。
アウディ『Q5』が属するのはミッドサイズSUVと呼ばれる市場。驚いたことにこの市場、日本では2009年に年間で僅か1669台の販売しかなかった。それが2016年は4万2000台に成長しているのだから、各メーカー力が入るわけである。
個人的に選ぶならサーブル(褪めたベージュ)かアーモンドグリーンなどのペールトーン。もう購入同然の気分でこんな原稿を書いているほど、気になっていたクルマだった。やっと試乗が叶い、もちろん小躍りしているところ、ではある。
プレミアムSUVという位置づけではあるものの、ボディエンドまですっと伸びたストレートラインのデザインは、やはりミニバンを想像してしまう。3列目まで、トータル7つあるシートを見ると、その思いはなおさら強くなる。