これまでトヨタ『プリウス』というクルマに対して、燃費がいいのは確かだが、車両価格に含まれるハイブリッドシステムの上乗せ分を、燃料代でリカバリーするのは至難の業だし、ハンドリングもあまりよろしくないし……。
予想したよりも、拍子抜けするほど普通のクルマだった。いろんな意味で、いい意味で。『プリウス』が半分電気自動車みたいなハイブリッド車であるのに対し、インサイトは運転感覚においてはハイブリッド車であることをほとんど意識させない。
選考結果がこうなったことに、個人的には少々複雑な心境でいる。
外から眺めても、中に座っても、『A4』という気がしないほどの大きさと広さ。ほとんど『A6』と大差ないサイズ感で、とくに横方向の余裕が大きい。質感も十分。その点で、まず『3シリーズ』や『Cクラス』をリード。
シトロエン『C5』は先に写真で見たときにも、いいデザインだと思っていたが、実車はもっとスタイリッシュ。とくにランプ類やボディサイド面の凝った造形が印象的。それも『C6』ほどブッ飛んでいなくて、誰でも気兼ねなく乗れる雰囲気がある。
まず、360万円という価格設定に感心。絶対に400万円を超えると予想していたのに、非常に戦略的だ。BMW『X3』あたりと比べると買い得感が際立つ。VW『ティグアン』は国産上級SUVにとっちゃかなり脅威になるだろう。
あらためて見ても、すごいフロントマスク。派手になればなるほどプジョーファンも喜ぶという図式なので、これはこれでいいと思う。
もっと『スマート』のようなコミューターをイメージしていたが、意外なほど一人前のクルマとしての機能をちゃんと満たしていた。しかし……