ヤマハ発動機は11月3日、イタリア・ミラノで開幕した「EICMA 2026」で125cc相当の電動スクーター『XENTER E(エクセンター・イー)』を2027年春に欧州で発売すると発表した。都市部の通勤者をターゲットにした電動アーバンモビリティの新たな方向性を示す1台だ。
◆コンパクトなeアクスルユニットを搭載
ヤマハ XENTER EXENTER Eは、高回転型の空冷永久磁石同期モーター(IPMSM)、モーターコントロールユニット(MCU)、一次減速ギアで構成されるコンパクトなeアクスルパワーユニットを採用する。最高出力は7.5kW(3500rpm)、最大トルクは33.3Nm(500rpm)で、ベルト駆動により滑らかで静粛な走行を実現する。
◆3.5kWhリチウムイオンバッテリーで108kmの航続
ヤマハ XENTER E
L字型の3.5kWhリチウムイオンバッテリーをシャシー中央に固定配置し、WMTCモード1(バッテリー温度25度)での航続距離は108kmを確保する。バッテリーはIP67規格に準拠し、防水・防塵性能を備える。バッテリーマネジメントシステム(BMS)が電圧・電流・温度を常時監視する。
充電は車載チャージャーを使用し、出力800W、200V環境でゼロから満充電まで約5.5時間で完了する。ACタイプ2の公共充電器にも対応するほか、専用ケーブルを使った家庭用コンセントからの充電も可能だ。
◆16インチホイールと快適な乗車ポジション
ヤマハ XENTER E前後16インチホイールを採用し、路面の凹凸や石畳、路面電車のレールなどでも安定した走行が可能だ。ホイールベースは1485mmで、フラットなフットボードと直立した乗車ポジションにより、さまざまな体格のライダーに対応する。サスペンションはフロント100mm・リア97mmのホイールストロークを確保し、タイヤサイズはフロント100/80-16、リア120/80-16だ。
ブレーキは前後245mmディスクにABSを装備し、回生ブレーキシステムも搭載する。回生ブレーキは各ライディングモードに応じて自動調整され、内燃機関スクーターのエンジンブレーキに近い自然な感覚を再現するという。
◆3つのライディングモードとリバース機能
ヤマハ XENTER EライディングモードはS(スポーティ)・T(バランス重視)・E(航続距離優先)の3種類から選択できる。トラクションコントロールシステム(TCS)とアクセルポジションセンサーグリップ(APSG)も装備する。
また、電動ユニットの特性を活かしたリバース機能を搭載。左ハンドルのリバースボタンと右ハンドルのモードボタンを同時押しすることで、歩行速度以下での後退が可能となり、狭い場所での取り回しを容易にする。
◆5インチTFTディスプレイとアプリ連携
ヤマハ XENTER E5インチTFTデジタルディスプレイを採用し、昼夜モードの切り替えに対応。「ヤマハモーターオン」アプリとの連携により、ターンバイターンナビゲーション、バッテリー状態確認、サービススケジュール管理、駐車位置記録などの機能を利用できる。
シート下には、サイズや形状によってはフルフェイスヘルメットを収納できるスペースを確保。前方にはUSBタイプCポートを備えた小型収納スペースも設ける。
カラーは、XENTER Eの先進性や未来感を強調するプラチナシルバー(アクアアクセント)とミッドナイトブラック(アクアアクセント)の2色を設定する。
◆EICMAでは内燃機関版コンセプトも公開
ヤマハ XENTERコンセプト(11月3日、プレスカンファレンスより)また、今回のEICMA 2026では、内燃機関を搭載したコンセプトモデル『XENTER』も公開された。ABS・トラクションコントロールを装備し、都市部の初めての二輪車購入者を主なターゲットとする。
ヤマハ発動機は「ヤマハ発動機グループ環境計画2050」のもと、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル実現を目指しており、XENTER Eはその取り組みの一環として位置づけられる、と説明している。










