西武鉄道は3月11日、保線機械の整備・管理を行なう小手指保線機械所(埼玉県所沢市)で、所沢市立北中小学校の児童が描いた絵をラッピングした大型保線機械「マルチプルタイタンパー」のお披露目会と、保線機械の見学会を開催した。
今回ラッピングされたのは、線路のゆがみを整正する保線機械、マルチプルタイタンパー。電車の走行で生じる線路の歪みを直す「道床(砕石)つき固め作業」を行なう車両で、通称「マルタイ」と呼ばれている。西武鉄道ではオーストリアのプラッサー&トイラー製の同車両を2両保有している。
ラッピング企画は2024年に初めて実施され、地域や学校から好評を得た。前回のラッピングから約2年が経過したことや北中小学校からの要望を受けて、地域との連携をさらに深める取り組みとして2回目の実施が決定した。
ラッピングは、小手指保線機械所に近接する北中小学校との地域交流や、生徒の「まちなかたんけん」の授業の一環として実施された。実施にあたり同所の社員が学校を訪問し、線路を整備する保線機械について「線路を直すお医者さん」というテーマで授業を実施。その後、生徒が描いた作品を車体にデザインとして採用した。
西武鉄道保線車両マルチプルタイタンパーを所沢市立北中小学校がラッピングマルチプルタイタンパーの側面には、小学2年生と6年生が描いた計108点のイラストがラッピングされている。2年生は「未来の電車」をテーマに50作品、6年生は「自分のお気に入りの場所」をテーマに58作品を制作している。
6年生の廣兼佳乃(ひろかね・かの)さんは、山口県岩国市にある祖母の家の近くの川を題材に作品を描いたという。「いつも行く田舎のきれいな川を描いた。実際の川は虹色ではないが、とてもきれいなので虹色にした」と話し、楽しい雰囲気を表現した作品であることを説明した。
同じく6年生の村石陽由(むらいし・ひより)さんは、学校の窓から見える景色を描いた。「窓から見える景色や風の気持ちよさが好きなので、その気持ちが伝わるように描いた。パステルカラーでやさしい雰囲気を出した」と語り、「マルタイが動く姿を見ると誇らしい気持ちになりそう」と期待を寄せた。
西武鉄道工務部小手指保線機械所の嶌崎裕介副所長は「2年生も6年生も非常に上手で驚いた。保線機械が昼間に移動する際に、生徒たちが見たと、戦線に報告したという話を聞き、うれしく思っている。工事の際もこうした絵が飾られていれば、近隣の方の気持ちも和らぐのではないか」と感想を述べた。
ヘルメットと作業着を着用
嶌崎副所長はまた、この企画の狙いについて「保線機械を保有する特殊な部署であることや、鉄道の安全を支える仕事を知ってもらいたい。西武鉄道を身近に感じてもらい、将来入社してくれる人が出てくれればうれしい」と説明した。
さらに今回で2回目になる企画の発端について「近隣の方と何かイベントをやりたいという思いがあって、近くの北中小学校に相談した。先生方と相談して、保線機械を絵でラッピングしましょうと決まった」と明かす。
なお西武鉄道の保線車両でラッピングが施された例は、モーターカー1台に続き今回が2両で延べ3回目となる。モーターカーのデザインは社内案によるものだった。
西武鉄道保線車両モーターカーを回転させる!お披露目会当日は、ラッピングされたマルチプルタイタンパーの見学のほか、保線機械のひとつであるモーターカーを使った体験イベントも実施された。参加者は、線路資材の運搬などを担うモーターカーを手で押し、進行方向を変える転車を体験した。
モーターカーは車体下面にターンテーブルを備え、それを地面に下ろして車体を回転させる仕組みだ。幅約3m、重量約25tの車両を実際に動かす体験を通じ、児童たちは保線作業の規模の大きさを体感した。
北中小学校の卒業式は3月25日に予定されており、6年生にとって今回の取り組みは卒業前の思い出の一つとなったに違いない。










