椿本チエインは12月2日、EAGLYS、キオクシアと共同で、物流現場の搬送・仕分け工程で新規商品を即時判別する「判別AIモデルの拡張技術」を開発したと発表した。
この「判別AIモデルの拡張技術」を椿本チエインのAI画像認識装置「AIてむ鑑定士」に搭載し、12月3日に開幕する2025国際ロボット展において、デモを行う。
この技術により、これまでのAI画像認識の課題であった新規商品追加時のAI再学習が不要となり、多品種多量の商品の仕分け作業のさらなる効率向上を実現する。
椿本チエインは2024年、EAGLYSとの協業でカメラ撮像機能を備えた箱体型AI画像認識装置「AIてむ鑑定士」を実用化。世界最高水準の0.1から0.4秒の高速処理と99.99%の認識精度を実現し、複数の物流センターで運用されている。バーコードやRFIDタグ等を不要とし、省人化による人手不足解消、人為的ミス削減など生産性向上に貢献する一方で、新しい商品の追加やパッケージ変更の際にはAI再学習が必要となるため、学習画像の収集等の工数削減が課題となっていた。
新開発の「判別AIモデルの拡張技術」は、キオクシアのSSDを活用した生成AI用ベクトル探索ソフトウェア「KIOXIA AiSAQ」および大容量ストレージを活用した記憶検索型AIによる画像認識技術と、椿本チエインの「AIてむ鑑定士」を連携。これにより、取扱商品追加やパッケージ変更の際、物流現場で迅速に自動認識できる仕組みを実現し、これまでの課題であったAI再学習が不要となった。
「KIOXIA AiSAQ」と記憶検索型AIによる画像認識技術を組み合わせ、画像やラベル、商品の特徴などの膨大な新商品データを大容量ストレージに保存して活用。これにより、基礎となるモデルを再学習することなく、新しい商品情報を迅速に追加することができる。データ増加に伴う検索時間やメモリ使用量の増加を軽減し、より高精度・高速で効率的な検索が可能となった。
これらの技術活用により、取扱商品の追加やパッケージ変更時のAI再学習が不要となり、物流現場での柔軟な対応を実現。従来は数日間を要していた新たな画像・ラベルなどのデータ追加の時間を数分程度に短縮でき、人的負担の軽減と計算エネルギーの省力化を実現するなど、「AIてむ鑑定士」がさらに活用しやすくなった。
eコマース拡大に伴い、物流現場で取り扱う商品の種類・量は増加を続けている。「判別AIモデルの拡張技術」を搭載した「AIてむ鑑定士」が、取扱商品の追加やパッケージ変更等に対してスピーディーかつ柔軟な対応を実現。物流現場の課題解決に向けて、AI活用による自動化ソリューションをさらに進化させる。
この「判別AIモデルの拡張技術」を椿本チエインのAI画像認識装置「AIてむ鑑定士」に搭載。2025年12月3日から4日間、東京ビッグサイトで開催される「2025国際ロボット展」の同社ブースにおいて、デモ展示する。
デモ展示では、大量の商品が流れる物流仕分け工程を想定し、新たに追加する取扱商品をその場で撮像して迅速に個別商品情報を記憶。「AIてむ鑑定士」を介して即座に仕分けていく過程を紹介する。



