ミスミグループは11月25日、間接材トータルコストダウンサービス「MISUMI floow(フロー)」が、自動車部品メーカーのソミック石川に導入されたと発表した。
ソミック石川は、クルマの足回り部品である「ボールジョイント」の製造において国内トップシェアを誇る自動車部品メーカー。浜松市の鶴見第2工場では、作業用手袋などの消耗品管理において、従来の「かんばん方式」による運用では、かんばんの回収や発注指示までのタイムラグ、管理者の確認遅延などにより、急な発注が生じることがあった。こうした欠品リスクや業務の非効率さは、現場と管理部門双方の共通課題となっていた。
同社は中国の子会社で先行導入していた「MISUMI floow」が、在庫の紛失防止や補充の手間低減に効果を発揮していたことから、国内でも導入を決定。まずは作業現場で使用頻度の高い手袋を対象に、工場常設の自販機による製品提供とミスミによる自動補充により、注文漏れや欠品の不安を解消した。
調達業務だけでなく、納品後の仕分けや段ボールの解体・廃棄といった手作業が不要になり、現場や管理部の負担が大幅に軽減された。導入後は専任担当者がつき、消費傾向に応じた棚割り変更や追加品の見積もりにも迅速対応。さらに、使用量の可視化によって社員のコスト意識も向上した結果、約4カ月時点において、現行価格比で約25%のコスト低減を達成した。
今後は副資材や切削工具への展開や他工場への導入も検討されている。
「MISUMI floow」は、デジタル革新により顧客の需要データに基づいた最適なチャネルでの商品提供を可能とし、工場における間接材調達の整流化を実現するトータルコストダウンサービス。調達担当者の発注の手間を省き、在庫量を可視化することで、調達時間を7割削減し、適切な在庫管理を実現する。
高頻度で使用する消耗品は工場常設の自販機までミスミが納品を行う、製造現場における「富山の置き薬」。自販機内の在庫はミスミ資産となるので過剰在庫を抱えることはない。さらに、自販機から取り出す際は顔認証やIDパスが必要になるため、使い過ぎを防ぎ、社員のコストに対する意識改革にもつながるという。





