パナソニック、電力市場価格に応じてEV充電を自動制御する実証へ…東京在住の戸建てEVユーザー100名募集

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  • TGオクトパスエナジーとパナソニック株式会社 エレクトリックワークス社のおうちEV充電サービス

パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社は、TGオクトパスエナジーと共同で、戸建てEV所有者向けアプリ「おうちEV充電サービス」を活用し、電力市場の価格変動に応じて自動的に充電時間をシフトする遠隔制御実証を開始すると発表した。

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近年、電力需給の逼迫や再生可能エネルギーの導入拡大により、電力市場価格の変動が一層激しくなっている。特に、太陽光発電の比率が高まる昼間や、需要が集中する夕方以降の時間帯では、価格の上下動が顕著だ。

こうした状況の中、電力使用を電力市場価格の安い時間帯にシフトする「デマンドレスポンス(DR)」の重要性が高まっており、家庭部門においてもその活用が求められている。また、EVの普及が進むにつれ、家庭での充電が新たな電力需要のピーク要因となる可能性が指摘されている。

さらに、EV充電を適切に制御することは、電力系統の安定化に寄与するだけでなく、利用者の電気料金負担の軽減にもつながる。

本実証では、こうした社会的背景を踏まえ、電力市場価格に応じたEV充電の最適化を通じて、家庭部門におけるピークシフトの可能性とユーザー利便性の両立を検証する。

具体的には、オクトパスエナジーの電力プラン「EVオクトパス」と、パナソニックの「おうちEV充電サービス」アプリおよびIoT EVコンセントを連携させ、遠隔で充電を最適制御する。

実証期間は2026年3月から5月の3か月間を予定しており、東京都内の戸建てに住まいでEV/PHEVおよびEV充電設備を持つ顧客を対象に、モニターを募集する。募集人数は100名で、募集期間は11月21日から12月15日(予定)。参加上限数に達し次第、受付を終了する。

募集条件は、東京都在住で戸建て住宅に住んでいる人、オクトパスエナジー「EVオクトパス2025-01」を契約している人、EV/PHEV所有者、IoT EVコンセントの設置が可能な人、実証期間に引越しや電気料金プラン解約等の予定がない人などとなっている。

検証項目は、電力市場価格が安い時間帯への自動充電シフト(遠隔制御によってEV充電に消費された電気量に対し特別料金単価を適用)、利用者の便益(電気代削減、利便性)の評価および電力消費のピークシフト効果の定量分析、事業としての成立性(ユニット粗利、参加率、運用コスト等)の検証となっている。

役割分担は、オクトパスエナジーが実証対象者への電力供給と充電制御スケジュールの策定を担当し、パナソニックが遠隔制御プラットフォーム提供(機器・システム・アプリ)と遠隔制御の実施を担当する。

パナソニックは、本実証を通じて、環境負荷の小さな時間帯へのEV充電時間のシフトを促進し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献するとともに、EVユーザーおよび検討者にとって不可欠な生活インフラとなることを目指している。

《森脇稔》

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